お金の浪費の代表はギャンブルですね。
ギャンブルは時に、依存症になることがあります。あのスリルや独特の躍動感は、他には体験できません。ギャンブルは、ステイタスの高い低いに関係なく、人を興奮させます。
そして、ギャンブルの代名詞は、「パチンコ、競馬、競輪」で、イメージはよろしくありません。
「ギャンブルで借金まみれ」
「パチンコに夢中で、子どもを車に 置き去りに・・・」
「給料のほとんどを、ギャンブルに 費やして借金地獄・・・」
など、ギャンブルに関する事件は、週刊誌でも定番の話題です。
しかし、とてもギャンブルとは思えないイメージにも関わらず、さらに割に合わないお金の使い方があります。
ギャンブルにはテラ銭がつきもの
ギャンブルには必ず主催者(胴元)がいて、参加するためには、参加費や運営費を支払います。これをテラ銭といいます。
水戸黄門を見ていると賭場(トバ)が出てきます。そういうときはだいたい風車の弥七の出番です。その当時の賭場は、取り締まりが緩かった神社やお寺にありました。テラ銭とは寺銭と書き、主催者(胴元)に支払います。
実はそのテラ銭、賭場によって金額が異なります。
このテラ銭が高いと、負ける可能性はより高くなります。同じばくちやギャンブルをするのに、テラ銭が安い方が有利であり、テラ銭が高いのは胴元が暴利を得ているか、それとも他に理由があるかです。
では、ギャンブルの王道、「パチンコ、競馬、競輪」それぞれのテラ銭はというと・・・
パチンコ : 5%
競馬、競輪:25%
ちなみに、競馬、競輪は公共ギャンブルと呼ばれます。よく見ると、パチンコのテラ銭はいがいに安く、公共で開催されている競馬、競輪のほうがテラ銭が高いんですね。
公共ギャンブルはCM戦略などで、一昔前の暗いイメージを払拭するのに成功しています。今や競馬場デートも、おしゃれな印象を持ってしまいます。
ギャンブルよりもたちが悪い〇〇
実は、ギャンブルよりもとんでもなく悪い条件なのに、クリーンなイメージを獲得しているものがあります。
カワイイお面をかぶり、とても清楚なイメージ。しかも合法的に、誰かの都合の良いように運営されています。そして、そのビジネスには既得権があり、誰でも参入できない守られた市場・・・
それは「宝くじ」
人に夢を見せ、購買意欲をかきたて、たくさんのテラ銭を取る。日本のトップクラスの金融機関が、旗振り役をしています。ギャンブルよりも悪い条件で、私たちに浪費をかき立てるそのテラ銭とは?
宝くじのテラ銭:55%
あなたが300円のグリーンジャンボ宝くじを買うと、そのうちの半分以上が胴元の懐にチャリ~ンと入るシステムなんです。
あれ~?ずいぶんカワイイのが出てきました〜(笑)それくらい浄化された、クリーンなイメージですね。「イメージ戦略」って恐ろしい。
売上一兆円規模
最高1億円が当たる「ジャンボ宝くじ」シリーズは年に5回。その他もあわせて、どれくらいの売上げなのかを調査すると・・・なんと、1兆円規模のビジネスなんです。
ちなみに、どんな企業が1兆円企業かご存じですか?味の素、京セラ、旭硝子、東急、三菱地所、花王など、そうそうたるメンバーです。宝くじの場合、1兆円の売上げの55%つまり5,500億円が、売上げた瞬間に胴元の懐に入ります。
「宝くじ」は例えると、かわいらしいピカチュウのお面を付けた「ばくち」です。
ギャンブルにはほど遠いイメージの宝くじですが、ギャンブルと比較しても極めてテラ銭が高い。つまり、「勝てる確率が極端に低いバクチ」なんです。
さらに、「5億円もらえる」ってCM、宝くじだからOK!でも、「○○投信が5億円儲かる」ってCMした瞬間にオナワです(笑)
宝くじの収益金は税金そのもの
さらに調べて驚いたのは、その収益金の分配方法です。
それは、宝くじを販売した都道府県および、政令指定都市の収入になります。そして、その使い道は法律で決められていて、「箱もの」の財源として、税金の代わりとして使われるのです。
宝くじは税金の代わりとして使われていたんです。
パチンコや競輪・競馬にはまっている人のイメージは悪いです。ギャンブル好きは結婚相手に敬遠されがちですし、会社でもそのような噂が広まると査定にも響きます。
しかし、宝くじにはまっている人に、悪いイメージはありません。むしろ、サザエさんの波平さんのような、どこにでもいる普通のお父さんのイメージですね。
私たちは少なからず、世の中のマーケティングに踊らされて生きているいることを、意識することが大切ですね。